支部長コラム其の8「システムに施した3つの改善。その結果はこうなった!」

なさんこんにちは。全シ連東北支部長の坂本タクマです。

 このようにごあいさつできるのも、これが最後かも知れません。全シ連第43話でお伝えした通り、現在、私はオオウチ副支部長と次期支部長の座を賭けて収支の勝負を行っている最中です。旗色は非常に悪く、もはや私の敗勢です。もし支部長の座を追われたら、この『支部長コラム』はどうなるのでしょうか・・・。

 このような事態を招いたのも、ひとえに私の成績が振るわないためです。他の誰のせいでもありません。呪うべきは自分の力不足です。

 しかし、私だってこれまで何もしてこなかったわけではありません。東北支部長就任以来、収支を上向かせるために、少なくとも3つの改善を行いました。その3つとは、

・ストップロスオーダーをやめる
・保有期間を短くする
・ボラの低いときには控えめに仕掛ける

というものです。すべて、以前の全シ連で取り上げたものです。

 これが改善なのか、とお思いの向きもございましょう。確かに、昔から伝わる相場の常識とは違うものも含まれています。けれども私は、その常識にとらわれていたからこその不振ではないか、と考えたのです。ある程度思い切ったことをしなければ、横ばい地獄を脱出できないのではないかと。

 

ストップなしトレードの結果は?

 それでは、これまでのところ改善の成果はどうなのか、というお話しをしましょう。

 まず、ストップロスオーダーをやめる、というものについて。

 これが、一番みなさんの反発を招くものでしょう(全シ連第1718話参照)。しかし、これこそが、一番よい効果があったものだと感じています。

 念のために申上げておけば、ストップロスオーダーというのは、価格が逆行したときに手仕舞うための注文です。例えば逆指値の手仕舞いなどがそれにあたります。また、ストップを置かないというのは、損切りをしないという意味ではありません。他の手仕舞い方法で手仕舞った時に、ポジションがマイナスであれば、結果として損切りになります。

 はじめは、ストップの値段を設定しないで、利食い目標や時間切れによって手仕舞うシステムを運用開始する、ということに留まっていました。それを使っているうちにだんだんと、ストップのない取引に心地よさを感じるようになり、気がつけば、すべてのシステムからストップを取っ払っていました。

 何が爽快かといえば、手仕舞いのスリッページがなくなったことです。指値や寄り、引けで手仕舞うので、基本的にスリッページは発生しません。長年のストレスから解放されました。

 もちろん、ストップがないために大きくヤラレるトレードもあります。しかし、ポジションを小さめにすることで、一撃での壊滅を避けるようにしているので割と平気です。検証結果の分布を見ることで、どのくらいの負けトレードがどれくらいの頻度で発生するか、ということを知っていれば、そう怖いことはありません。詳しくは、本コラムの第1回を参照してください。

 実際、儲かってもいます。最初からストップ無しで投入した3つの新システムはいずれもプラスです。


       稼働 収支
システムA 2年2ヶ月 +168,254円
システムB 2年2ヶ月 +293,155円
システムC 2年4ヶ月 +380,865円

 既存のシステムからストップを取っ払った効果については、恥ずかしながらいつからそうしたか記録や記憶が定かでないのではっきりした数字は申上げられませんが、少なくともここ数ヶ月は上向きです。

 

保有期間短縮の効果は・・・

 次に、保有期間を短くする、という改善について。これは第24話でも申上げた通り、F会長のお薦めです。

 これについては、2016年の1月から、あるひとつのシステムについて、保有日数を2日に限る、というふうに変更した記録が残っていますから、検証可能です。
 その結果・・・


期間 取引回数 収支
2016年1月~2017年9月 1548回 -1,325,329円

 おおお、ひどくヤラレている・・・。上記3つの新システムの利益を足したよりもたくさん・・・。そんな、F会長の理論に間違いなどあるはずが・・・。そうだ、それより前と比べてみましょう。よりマシになっていはずです。同じ取引回数だけさかのぼって・・・


期間 取引回数 収支
2014年3月~2016年1月 1548回 ー217,468円

 ああ、前のほうがまだマシだったとは・・・。

 いやいやいや、何か他の原因があるはずです。きっと私の適用方法が間違っていたのです。理論は、理論は完璧なはずなのです!!

 

低ボラ回避戦略に光明はあるか!?

 気を取り直して、最後の「ボラの低いときには控えめに仕掛ける」というのにいきましょう。これは割と最近、第38話39話に出てきました。

 「ボラティリティーの低いときにはあまり儲からない」という、自分の収支の調査結果に基づき、あるシステムについて、TOPIXで計算したご存じ坂本の高低差指数が低いときにはポジションを減らすという措置をとりました。これもはっきり今年の3月末から始めたことがわかっていますので、集計しますと


期間 取引回数 収支
2017年3月~9月 359回 -274,592円

 おお、やはりヤラレている・・・。私の既存のシステムは、もうダメなのか・・・。いや、前よりはマシになっているはず・・・。


期間 取引回数 収支
2016年11月~2017年3月 359回 -437,810円

 あっ!!やはり、前のほうがより大きく負けている!!マシになった!!

 しかし・・・ポジションを小さくすれば、負け額が減るのは当たり前・・・そんなにめざましい成績では・・・。

 でも しかし けれども、これもまた適用方法がよくなかっただけだと考えられます。理論は正しいのではないかと・・・。
 
 

 なんとなく思ったのは、成績不振のシステムにいつまでも未練たらしくしがみつくよりも、すっぱり切ってしまったほうが結果的にはよかったのだろうな、ということです。

 もしかしてこれで最後になるかも知れないというのに、なんだか変な感じになってしまいました。しかし、新たな研究材料が見つかってラッキー、と前向きにとらえて、精進したいと存じます。勝負には、間に合わないかも知れませんが・・・。

 それでは、ごきげんよう!!