支部長コラム其の12「2018年トレードバトルを制した坂本タクマシステムを超分析!」

ーい、みなさんこんにちはー!!坂本タクマでーす!!

もういいんでしょうか、名乗っちゃって?全シ連東北支部長の坂本タクマです。あ、「至武超」か、へへへ。

・・・浮かれるのはこのくらいにしておきましょう。
正直に言えば、前の勝負の時のようにぶっちぎられなくてほっとしています。
1年にわたる至武超戦、最後の最後まで競り合いが続き、なかなかの盛り上がりでした。坂本も、オオウチも、共に頑張りました。

9月末の2度目の中間発表の時点ではリードされていました。そのときは、こちらが勝てるとすれば下げ相場が来たときだけだろう、と思っていて、運良くその通りになり、なんとかよい結果になりました。しかし思ったほど差は開いておらず、これまでの勝負で開けられた差を考えれば、ちょっと挽回しただけに過ぎません。至武超の名に恥じぬよう、もっともっと成績を向上させなければなりません。

そこで今回は、2018年の自分のトレードを分析し、今後の飛躍につながるヒントを見つけたいと思います。

 

システム別2018年の成績

まず2018年の相場を振り返ると、下げた1年ではあるものの、個人的には、なかなか、けっこう、かなり儲けやすかったと感じました。
もちろん厳しい結果だった投資家が大半を占めるだろうと予想しますが、ネットで収支を公開しておられる方々の中にはプラス収支の方も多く、中には目を見張るような数字を叩き出している方もいらっしゃいます。
今までで一番勝ったわけではないけれども、2番目かそこらではあった、というコメントを複数目にしました。私も似たような感じです。私の結果の中に、その理由の一端が現れているように思います。

表1・システム別成績

システム 仕掛け方向 収支
逆張り系1 +749,337
順張り系1 買・売 +300,441
逆張り計2 +104,719
デイトレ系 買・売 -27,091
順張り系2 買・売 -44,013

利益の大半を逆張り買いで出しています。主として米国発の急落が何度かあり、そのたびに手堅く勝つことができました。上の表の逆張り系1、漫画ではリディアとして登場しているシステムがエースの働きをしました。
状況はオオウチ前支部長も似たようなもので、逆張りの利益が大きかったようです。最後まで競ったのは、2人のやっていることが似ていたからだと言えるでしょう。

至武超戦の勝敗を分けたのは、順張り、特に売りでした。
表1で順張り系1と記したシステムは、売り買い両方やるものです。2018年のこれの成績を売り買い別に見てみると

表2・順張り系1売買別

収支
+97,744
+202,697

売りのほうが倍ほど稼いでいます。相場の方向を素直に表していると言えましょう。

このように、2018年は逆張りの買いと順張りの売りにチャンスがあった1年だったと個人的には感じました。それらを捕えられればまずまず勝てたと思います。2018年をプラスで終えられた方の中にも、そういう方が多いのではないかと推測しますが、いかがでしょう?

 

「闘魂と数理」の実情

ところで、漫画の中で私はたびたび「闘魂と数理で勝つ」と言ってきました(第48話第50話)。闘魂のほうは、急落局面でもひるまずちゃんと仕掛けたことをはじめとして(第49話)、随所に注入できたと思います。
数理に関しては、資金管理ルール、仕掛け株数の調整を主にやっていました。資金割り当てを「いいシステムには多めに、そうでもないのには少なめに」という方針の下、逆張り系1と2については増やし、順張り系1に関しては減らしました。
こうなったら増やす、こうなったら減らす、という明確なルールを持っているわけではありません。実戦投入後からのトータル収支と、直近1、2年の成績などからどのくらいそのシステムが信頼できるか、ということを判断して決めています。
「数理」といいながら多分に主観的な決め方をしていますが、これは定式化の難しい部分です。システムをどれくらい信頼できるかは、感情的な要素、自分の性格などが関係してくるためです。

資金割り当てを増やした逆張り系1と2に関してですが、1については成功、2についてはやや失敗しました。2は直近の好調ぶりから年の途中に思い切って割り当てを増やしたところ、大きなドローダウンを喰らいました。こりゃいかん、増やしすぎたと慌てて少し減らし、その後は安定しています。このあたり、至武超戦を意識する余り、闘魂が過剰に出てしまったのかも知れません。

順張り1への資金割り当てを減らしたことについては、成功か失敗かは微妙なところです。成績が落ちているから減らしたのですが、勝つんだったら減らさなければよかったとも思えます。ただ、減らしたからこそ上向いた、とも考えられます。それまで振るわなかったのは、ポジションサイズが大きすぎるせいでマーケットインパクトの影響があったためだと分析しているからです。感じとしては、このくらいのポジションがしっくりくるので、しばらくはこのままいこうと思います。

私は、資金管理は精神の安定のためにするものだと考えています。何が精神の安定につながるかは、そのときの状況によります。とにかくリスクは小さめにしたいというときもあれば、これっぽっちの利益では将来が不安だ、という時期もあるでしょう。そういう変化に対応するために、資金管理法を適宜見直す必要があります。時には、快適な眠りを求めて寝場所を変え続ける猫のように、頻繁に微調整することもあるでしょう。2018年は割とそういう年でした。至武超戦があったから、でしょう。

数理といいながら、フワフワした話ばかりしておりますが、実際に仕掛け株数を決めるときには、そのときの気分で決めたりせず、きっちり数式で計算しています。
やや数理寄りの話をしますと、2018年、私が行った変革は、割当金額や取るリスクを決めるのに「関数」の考え方を取り入れたことです(第52話コラム其の11)。
それまでは「比例」ぐらいしか使っていなかったのですが、これをどんな関数にしてもいいんだ、と気付いたのは大きいことでした。リスクを増減させるスピードをより柔軟に調整できるようになりました。この先かなりの違いが出てくると思います
もっとも、現在は「比例」に加えて「1次関数」くらいしか使っておらず、小学生レベルの数式から中学生レベルになったに過ぎません。今後はもっと何か気の効いた関数を探してみたいと思います。

 

飛躍のために

最後に、2018年マイナス収支だった2つのシステムについて考えます。
「デイトレ系」は、最初に作ったシステムで、もうだいぶ古いものです。そろそろ取り扱いを考え直さなければならないのかも知れません。ほかが苦しいときにこれだけ勝ったりすることがよくあるので、まだ役割を終えたとまでは思いませんが、大幅な改良は必要かも知れません。
もうひとつ、「順張り系2」のほうは、「順張り系1」とは逆に、ポジションが小さすぎたから儲からなかったのかも、とちょっと思っています。捨てシグナル(第54話)が多すぎたために本来の性能が発揮できなかった可能性が捨てきれません。一度リスクを上げてどうなるか見てみる、という手もありますが、調子が悪いシステムのポジションを大きくするのは心理的な抵抗感があってちょっと・・・・もうしばらくこのままで様子を見たいと思います。

自分の陣容を見て、デイトレが手薄だと感じます。いかなる地合でも安定して高収益を上げているトレーダーの多くは、優れたデイトレ手法を持っていると想像します。2019年はデイトレの強化を最大の課題として研究に励みます。機械による売買が大量に入ってきていて厳しいかとは思いますが、なんとかして統計的エッジを見つけたいと思っています。